海外におけるOTECの研究
海外におけるOTECの研究海洋エネルギーを半永久エネルギーとして有効に利用するため、世界の国々が海洋温度発電の研究、開発、設計を行っているが、今日では、より多くの研究者が海洋温度発電の研究を進めるようになってきた。1990年から現在までのOTECに関する国際論文の調査結果を元に、海外におけるOTECの研究についてまとめた。アメリカ1979年にアメリカはMini-OTECプラントではじめて正味発電の得ることに成功した。また、1981年ハワイにてOTEC-1と呼ばれる1MW の発電プラントを海軍の輸送船に設置して実証した。1980年代はじめから中ほどにかけてアメリカは50-100MW発電規模のクローズドサイクル方式に着目し、のちに基礎的な小規模で陸上設置型オープンサイクルの設計に専念するようになった。アメリカにおいてOTEC/DOWAの研究活動のほとんどはハワイ、その中で主にNatural Energy Laboratory of Hawaii (NELHA) で集中して行われている。1993年には210KWのオープンサイクル方式OTECでプラントにくみ上げた海水を発電に用いることにより正味電力60KW を含む総電力213KWの発電を成功させた。この実験により大規模プラントおいての現在のタービンサイズ、およびアルミニウム製熱交換金属板の重大な漏洩および腐食問題が立証された。アメリカの主要なOTEC技術及び研究開発の成果を下記で示す。
現在のアメリカにおける研究として、マーシャル諸島におけるOTEC計画がある。5~10MW規模で陸上設置型OTECプラントの設計、経済性、財政上の実現可能性に関する研究は完成している。これらの研究は実現に向けてなおいっそうの信頼を与えている。 ヨーロッパ諸国フランスのGeorge Claudeは110年以上前に海洋温度差発電(OTEC)を考案している。またフランスは1930年にキューバにてオープンサイクルシステムを用いて OTEC技術をはじめて検証した。それ以来、ヨーロッパ諸国は、主に理論の解析および室内の実験によるOTECの研究に寄与している。 OTECに関するヨーロッパ諸国の研究成果を以下に示す。
アジア諸国近年、アジア諸国は、OTEC技術に興味を示している。また、たくさんアジア諸国が日本のOTEC研究者との共同研究によりめまぐるしい発展を遂げている。台湾台湾は海洋温度差発電の発展にとって最も適している場所のひとつである。ここ10年間で台湾はOTECの躍進は著しい。大規模OTECプラントの設計研究に貢献してきたMulti-product OTEC プラントやMaster OTECプラントの幅広い設計に関する研究を成功させてきた。最近の取り組みとしては台湾でのOTEC/DOWA技術を使用して地熱や海洋エネルギー源の利用や成し遂げた成果などを公表するMarine Park Projectを実施している。その枠組みに基づき、OTEC/DOWAに関する研究の躍進及び発展は、くるべき未来において発展を支えるためのクリーンエネルギー及び自然エネルギーを生み出す挑戦に応じるために続いている。インドインドにおけるOTEC計画の始まりは1980年にTami Nadu沿岸に20MWのプラントの建設よりはじまり、1982年にIndia Institute of Technology (NIOT) によりOTEC基礎を形作った。主な設計は、作動流体をアンモニアにし1MWのクローズランキンサイクル浮遊型プラントを完成させた。1997年にはイン ド政府は、1MWのOTECプラントの建設を目標とした。温度やバスメトリックに基づいたクローズドサイクルの研究を佐賀大学の援助のもと行っている。その他のアジアの国々スリランカでは佐賀大学OTEC研究所の助言のもとOTEC計画が始まったばかりである。主要な技術や経済性の研究はすでに完了している。大韓民国では数多くの研究者たちがOTECのための技術の発展に専念している。例えば、簡単なランキンサイクルや再生ランキンサイクルの解析、OTECプラントからの温水の排水に用いられているポンプの特性解析が挙げられる。 |