海洋流体エネルギー分野の現在の研究
海洋流体エネルギー分野の現在の研究
現在、海洋流体エネルギー分野で行われている研究について紹介します。
佐賀大学における波力発電装置の研究開発
後ろ曲げダクトブイおよび浮体型振り子式波力発電装置の実用化を目指し、各装置の高効率化および設計手法の確立を目的として、模型を用いた水槽実験、数値解析コードの開発を行っている。
後ろ曲げダクトブイ(Backward Bent Duct Buoy : BBDB)
BBDBは浮体式振動水柱型の波力発電装置で、L字型の水柱ダクト、浮力体、タービン、発電機で構成されている。
後ろ曲げダクトブイ(BBDB)
全長0.85 mのアクリル製小型BBDB模型を用いた実験では、空気室上部に設けたオリフィスによって発電タービンを模擬し、波高0.03 m~0.05 mの規則波中における一次変換効率を求めた。
また、小型BBDB単体の場合と複数台並列に設置した場合について実験を行い、波入射角、水平ダクトの長さおよびBBDBの離隔距離の影響などを明らかにしてきた。
全長2.50 mの アルミ製中型BBDB模型には発電タービンを搭載し、平成23年福岡県能古島において発電実証実験を行った。
浮体型振り子式波力発電装置(Floating Type Pendulum Wave Energy Converter : FPWEC)
FPWECは水室、振り子板、水室後壁、減揺板、浮力体および発電ユニットで構成される。
これまでの研究では、プーリとベルトによる増速機構を有する二次変換装置を搭載した全長2.65 mのFPWEC模型を製作し、二次元水槽実験を行って一次変換効率および発電効率に与える振り子板位置の影響を明らかにしてきた。
実機の負荷特性を模擬することができるサーボモータを装備したFPWEC模型実験においては、一次変換効率および浮体の運動に及ぼす減衰係数の影響を明らかにした。